西表島でヤエヤマヒメボタル(学名:Luciola filiformis yayeyamana)を撮影して来ました。
ヤエヤマヒメボタルは、西表島の西部が有名ですが、人も多いようなので、東部へ。
ホタルが斜面一面で光っていて、林道まで出てきて乱舞していました。
カメラの設定が大変だったので、設定についても紹介します(役に立つかな?)。
※学名については、ブログの最後を御覧ください。

ヤエヤマヒメボタル@西表島

今回お世話になったガイドは、Powder Reefの安立さん。
通常のホタルコースは、一人4,000円。
撮影に専念したい場合には、追加料金が必要ですが、貸し切り(要相談)にした方が良いかも?
貸し切りの場合には、他のツアーが来ない秘密の場所に案内してくれるそうです。

使用した機材:Sony α7C・Tamron 17-28mm F2.8(静止画)、Sony α7C II・Tamron 28-75mm F2.8(動画)。
※ブログの写真は、全て比較明合成しています。

条件1:F2.8、ISO3200、SS 20秒、焦点距離17mm、ホタルに近い。
クロイワボタルとオキナワスジボタルの場合だと、ISO3200(F2.8)でも問題なかったですが、ヤエヤマヒメボタルの場合には暗いですね。
しかし、アンダーだと光の色が黄金色に近くなるので、これはこれで有りかも?
ピントが甘かった分、玉ボケっぽくなりました。

ヤエヤマヒメボタル@西表島

ヤエヤマヒメボタル@西表島

条件2:F2.8、ISO6400、SS 20秒、焦点距離17mm、ホタルに比較的近い。
ホタルの光の明るさは、丁度良いかな。
しかし光の色が黄色で、微妙に黄金色では無い(画像ソフトで調整可能?)。
残念なのは、光が玉ボケにならなかった点。
超広角の焦点距離17mmだと、そもそもボケ難いかもしれないですが…
ヒメボタルらしい玉ボケにするには、合焦範囲の狭いF2以下のレンズが必要そうです。
F2以下なら、ISOも下げられるので、ノイズの少ない綺麗な写真になりますね。

ヤエヤマヒメボタル@西表島

条件3:F2.8、ISO6400、SS 20秒、焦点距離17mm、ホタルが遠い。
ホタルが遠い場合には、ISO6400(F2.8)では暗すぎで、光の色も白色に近くなるので、ISO12800以上は必要そうです。
F2以下のレンズが必須ですね。

ヤエヤマヒメボタル@西表島

上の写真では、ホタルが右側の山の斜面一面、また林道に降りて来て乱舞する様子を撮りたかったんですが…
思いの外、ホタルが集まった場所が遠くなってしまいました。涙

ヤエヤマヒメボタル@西表島

リアルタイム動画:F2.8、ISO25600、SS 1秒、焦点距離28mm、ホタルが比較的近い。
ISO25600でノイズが酷かったので、Neat Videoで、ノイズ除去しました。
SS1秒だったので、カクカクしていますね。
しかしSSをもっと短くすると、背景が真っ暗になるので、諦めました。
5つの光の点が移動するので、1秒間に5回光っているようです。
ヤエヤマヒメボタルのリアルタイム動画には、F1.4以下、SS1/5秒以下、背景が確認できる程度のISOが条件になりそうです。


下の写真は、動画からの切り出し画像を比較明合成したものです。

ヤエヤマヒメボタル@西表島

今回の撮影で満足できたのは、条件2の一番上の写真だけなので、来年再挑戦したいですね。

※ヤエヤマヒメボタルの学名について:
ヤエヤマヒメボタルは、1918年にMatsumuraにより、学名:Luciola yayeyamanaで発表されました。
その後1971年、Chujo and Satoにより、Luciola filiformisの亜種へランク変更され、 学名:Luciola filiformis yayeyamanaとなりました。
原記載論文:
(1) Matsumura, S., 1918. The fireflies of Japan. Kyoiku-Gaho, 6(3), 82-89.
(2) Chujo, M. and M. Sato, 1971. Coleoptera of the Loo-Choo Archipelago (III). 12. Family Lampyridae. Memoirs of the Faculty of Education, Kagawa University. Part II, (202), 14-15.
※該当論文の内容までは未確認です。汗(レポジトリ等で公開して欲しい…)