2021年1月1-2日、首里城公園「新春の宴」で行われた「琉球芸能の宴」を見学。
古典音楽や琉球舞踊を堪能しました。

加那ヨー天川@首里城公園「新春の宴2021」

系図座・用物座で、毎年「琉球芸能の宴」が行われています。
公演ごとに、琉球古典音楽・琉球舞踊の団体・発表内容が異なるので、全ての演目を見るのは大変です。
今年は、元旦の第一・二公演、2日の第二公演(一部)を鑑賞しました。
まずは、元旦の第一公演、沖縄美ら島財団による琉球古典音楽。

かぎやで風節(新年の歌)@首里城公園「新春の宴2021」

「かぎやで風節」は沖縄では誰でも聞いたことがあると思いますが、正月の「かぎやで風節」では琉歌が変わっています。
「新玉ぬ年に 炭とぅ昆布飾てぃ 心から姿 若くなゆさ」


次に、元旦の第二公演(首里伝統芸能文化協会)、2日の第二公演(沖縄県立芸術大学)の琉球舞踊・7演目を紹介。
2日の第二公演は、途中から見学しました。汗
沖縄県立芸術大学では、音楽が地揺の生演奏だったので良い感じでした。
まずは、祝儀舞踊の定番で古典舞踊・老人踊り「かぎやで風」。
今回は老人踊りですが、元服前の若衆踊りだったりと、いろんなパターンがあります。

かぎやで風@首里城公園「新春の宴2021」

かぎやで風@首里城公園「新春の宴2021」


続いて、古典舞踊・女踊りを2演目。
「稲まづん」は、五穀の実りを象徴する稲穂を持って、今年の豊作を予祝します。
前段「稲まづん節」、後段「早作田節」です。

稲まづん@首里城公園「新春の宴2021」

稲まづん@首里城公園「新春の宴2021」


「瓦屋」は、別名「月見踊り」とも呼ばれています。
「なからた節」~「瓦屋節」~「しやうんがない節」。

瓦屋@首里城公園「新春の宴2021」

瓦屋@首里城公園「新春の宴2021」


古典舞踊・二才踊りで2演目。
二才(ニーセー)は、年齢では無くて、男性の若者という意味ですよ。笑
1つ目の演目は「ゼイ」。
ゼイ(麾)は、武将が軍の采配を振る時の小道具の事。
後段「揚作田節」の歌詞から分かるように、松が双葉から大木に成長する太平の世を表現しています。
今回の「ゼイ」は二才踊りですが、若衆が踊る「若衆ゼイ」もあります。

ゼイ@首里城公園「新春の宴2021」

ゼイ@首里城公園「新春の宴2021」


「上り口説」では、琉球の役人が薩摩藩に出張する際の道行(首里観音堂から薩摩藩の山川港)が歌われています。
歌詞には、途中の難所・七島渡や硫黄島・桜島などが出てきて面白いですね。

上り口説@首里城公園「新春の宴2021」

上り口説@首里城公園「新春の宴2021」


古典舞踊に対して、明治~大正期に創られたのが雑踊り。
昭和以降のは、創作舞踊というのかな?
古典舞踊は王族や士族を対象にしていたのでテンポが遅いですが、雑踊りは一般民衆の為の踊りで軽快でリズミカルになっています。
「加那ヨー天川」は、若い男女の恋模様を描いた打ち組み踊り。
一番好きな演目で、この為に首里城公園に来たと言っても過言ではないです。笑
前段「加那ヨー節」に続いて、後段「島尻天川節」では指笛も入って一気に盛り上がります。

加那ヨー天川@首里城公園「新春の宴2021」

加那ヨー天川@首里城公園「新春の宴2021」


「鳩間節」は元の八重山(鳩間島)ではテンポの遅い古典音楽として踊られますが、本島では早弾きにアレンジした「鳩間早節」が広まりました。
鳩間節も盛り上がる定番の演目です。
地揺の人達も、雑踊りの際には、頭のハチマキを外していますね。

鳩間節@首里城公園「新春の宴2021」

鳩間節@首里城公園「新春の宴2021」


今年も首里城公園「新春の宴」を楽しめたので、出演された団体等に感謝です。
例年は、民俗芸能として各地域の獅子舞等も行われます。
今年は獅子舞を見られなくて残念でしたが、コロナの影響で難しかったのかもしれないですね。

首里城公園「新春の宴 2021」の地図
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