中城城跡に寄り道すると、ツワブキの花が満開。
黄色い花が青い空に映えて、お勧めです。
今回は、ツワブキを中心に紹介します。

ツワブキの花@中城城跡(正門)

ツワブキ(学名:Farfugium japonicum Kitamura)は、キク科の植物です。
方言名が沢山ありますが、奄美から八重山まで少しだけ紹介。
ツィワ:奄美大島(笠利・竜郷)
ツバサ、チバサ:奄美大島(名瀬)
チッイパ:奄美大島(瀬戸内)
フキ、フーキィ、ツワ:徳之島
フチ、チファファ、ヤマブッチ:沖永良部島
フキイ、チチャパ、ヤマブキ:与論島
シパンパ:沖縄島(許田)
チパパー:沖縄島(久志)
フキーチファファ:沖縄島(首里)
タタンヌーハナ:沖縄島(糸満)
チィパッパー:座間味島
ツバナ、ツパパフサ、ウプーバーウサ:宮古島
ツパパ、ツファファ:伊良部島
チブルングサ、ヤマグンボー:石垣島
シパマ:小浜島
シポアー、チポア:西表島
パァパァ、パッパー:与那国島
※方言の出典:『琉球列島植物方言集』(天 鉄夫/著 新星図書出版 1979.6)

中城城正門付近のツワブキ
ツワブキの花@中城城跡(正門)

ツワブキの花@中城城跡(正門)

ツワブキは、薬として利用され、蓮蓬草(れんほうそう)として知られています。
根茎を乾燥したのが、生薬の橐吾(たくご)。
また食用としても利用されていて、正に医食同源。
薬効は、糖尿病、心臓病、喀血、吐血、魚の中毒 等
※薬効の出典:『沖縄の薬草百科』(多和田真淳/著 新星図書 1985.11)

ツワブキの民間薬としての聞き取り調査が面白いです。
葉を火であぶって痔にはる。(安部・比地)
茎に油をぬって、火であぶって痔のとび出た所にはる(大兼久)
根を加熱して、肛門内部に挿入する(辺士名)
※治療法の出典:『沖縄民俗薬用動植物誌』(前田光康/編 ニライ社 1989.4)

南の郭の入口のツワブキ
ツワブキの花@中城城跡(南の郭の入口)

ツワブキの花@中城城跡(南の郭の入口)

ツワブキは、江戸時代にアメリカの黒船に採集されました。
ペリーが琉球に来た1853年、また1854-1855年に、黒船艦隊が沖縄・日本各地で植物採集をしました。
植物標本は、ハーバード大学の植物資料館、ニューヨーク植物園の標本館、スミソニアン研究所の植物標本庫などに保存されています。
その中に、種子島産のツワブキの標本も含まれています。
※出典:『黒船が持ち帰った植物たち』(小山鉄夫/編著 アボック社出版局 1996.11)

南の郭のツワブキ
ツワブキの花@中城城跡(南の郭)

ツワブキの花@中城城跡(南の郭)

南の郭はピースフルな感じがして、中城城跡で一番のお気に入り。
下の写真は、中城城の8つの拝所の一つ、御當蔵火神(首里遥拝所)。
他の7つの拝所は、以下です。
中森御威部(中森ノ御イベ)
世来富威部(シライ富ノ御イベ)
雨乞御威部(雨乞ノ御イベ)
小城御威部(小城ノ御イベ、久高遥拝所)
波波御威部(ナミナミノ御イベ)
江屋呉良御威部(カワヤグラノ御イベ)
友屋呉良御威部(トモヤグラノ御イベ)
機会があれば、各拝所を紹介したいと思います。

御當蔵火神(首里遥拝所)
御當蔵火神(首里遥拝所)@中城城跡

二の郭の城壁(布積み)の曲線は、格好良いですね。

二の郭@中城城跡

北の郭も、ツワブキが一杯。

ツワブキの花@中城城跡(北の郭)

裏門を出て、寄り道終了。

ツワブキの花@中城城跡(裏門)

ツワブキの花が満開@中城城跡の地図
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