昨晩は、宜野湾市で行われた「宜野湾区大綱引き」を見学しました。
字宜野湾では、旧暦6月15日のウマチーの日に、綱引きを宜野湾馬場で行っていました。
ウマチーは、南西諸島で行われている麦・稲に関する4つの祭祀(旧暦2月の麦穂祭、3月の麦大祭、5月の稲穂祭、6月の稲大祭)の一つです。
字宜野湾の綱引きは、宜野湾村で最大の行事と云われていましたが、1941年を最後に断絶。
しかし、2007年7月29日に66年ぶりに「宜野湾区大綱引き」として復活。
以降、5年毎の新暦7月の最終日曜日に、沖縄国際大学の野球場で行われています。

綱寄せ@宜野湾区大綱引き

宜野湾区大綱引きでは、前村渠(メンダカリ)と後村渠(クシンダカリ)に分かれて勝負をします。
前村渠の綱は沖縄国際大学本館前、後村渠の綱は沖縄国際大学駐車場に準備。
それぞれの綱と旗頭は、道ジュネーで、綱引き会場(沖縄国際大学野球場)まで運ばれますが、多くの人で大混雑でした。
また、太鼓や鉦鼓、ほら貝などの音で、超賑やか。
シタクが綱の上に乗っていて、周りの注目を集めていました。

道ジュネー@宜野湾区大綱引き

道ジュネー@宜野湾区大綱引き

道ジュネー@宜野湾区大綱引き

綱引き前には、まず旗頭のガーエー。
前村渠は青い衣装で旗字「豊年」、後村渠は赤い衣装で旗字「並松」です。

旗頭@宜野湾区大綱引き

旗頭@宜野湾区大綱引き

続いて、六尺棒を持った男性による「シーチェー」。

シーチェー@宜野湾区大綱引き

婦人達による応援合戦「メーモーイ」も盛り上がりました。
最初は向かい合っての応援ですが、最後は両陣営が入り乱れての踊り大会に。

メーモーイ@宜野湾区大綱引き

メーモーイ@宜野湾区大綱引き

やっと、本命の綱引きの始まり。
雄綱(前村渠)と雌綱(後村渠)をカヌチ棒で繋ぐ、「綱寄せ」が一番の見どころです。

綱寄せ@宜野湾区大綱引き

綱寄せ@宜野湾区大綱引き

綱寄せ@宜野湾区大綱引き

両方の綱が結ばれて1本になると、その瞬間に綱引きのスタート。
宜野湾区大綱引きでは、一発勝負です。

本綱引き@宜野湾区大綱引き

今回も、前回に続いて後村渠の勝利でした。
勝負後は「戻り綱」といって、勝った方の綱を担いで、大蛇のように蛇行しながら綱置き場まで運びます。

戻り綱@宜野湾区大綱引き

会場から綱が片付けられると、婦人たちによる「サングヮチャー」。
「サングヮチャー」は多くの場合に旧暦3月3日に行われる女性の穢れを払う行事(浜下り)ですが、宜野湾では女性だけの三月祭として定着しています。
また、娘が13歳になって一人前の女性として認められる「新盛」でもあるようです。
「新盛」の踊りでは、左回りに輪になって四つ竹も持って踊ります。

サングヮチャー踊り@宜野湾区大綱引き

その後も、沖縄国際大学の学生による余興や民謡、舞方などが続きました。
舞方では、地謡に合わせて空手の型を披露。

余興@宜野湾区大綱引き

沖縄では、これから綱引きの季節に入ります。
旧暦6月25日のカシチー綱、旧暦6月26日のアミシ綱、旧暦7月15日の盆綱、旧暦8月15日の十五夜綱など、お勧めが沢山ですね。

宜野湾市の宜野湾区大綱引き 2017の地図
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