南城市大里大城の組踊「大城大軍」

2023年11月12日、組踊「大城大軍」が、南城市大城集落センター前の野外舞台で10年ぶりに上演されました。
「大城大軍」は大城区独自の組踊で、明治期に組踊「大城崩」と大城区の伝承を元にして創作された組踊です。
昭和21年まで毎年上演されていましたが、戦後の混乱で途絶えてしまいます。
しかし普天間俊夫（戦前は学校の訓導、戦後は大里村の村長）による台本、また南米へ移民した大城区出身者から贈られた台本を元に、平成元年に復活しました。

開演は午後6時ですが、大混雑が予想されたので1時間半前に、南城市大城集落センターに到着。
場所取りは殆んど終わった後でしたが、なんとかスペースを確保…汗
子ども組踊の記念撮影をしていました。



大人の組踊メンバーの記念撮影。



定刻通りに始まりました。
まずは、座開きの定番「かぎやで風」。



続いて、獅子舞で座を清めます。

琉球舞踊の二才踊「上り口説」。
琉球の役人が薩摩藩に出張する際の道行（首里城～山川港）の様子の踊りです。
真ん中のちびっ子が、可愛いですね。

琉球舞踊の雑踊「取納奉行」。
村に来た取納奉行に、娘を差し出すまでの騒動の踊りです。

ことぶき会による民舞「島尻二才達ほか」。



こども組踊。
大人の組踊の前に、組踊の見所などを上演・解説してくれました。
いい試みですね。





組踊「大城大軍」の始まり。
まずは、第一幕（旅立）。
外間之子が、これまでの経緯を説明します。
主君の大城按司は、大里按司に敗れて、大城之若按司・ウミナイ（若按司の妹）・マナビダル（外間之子の妻）と共に、故郷の玉城村の垣花に身を潜めています。



このままでは仇を討つことが出来ないので、那覇の儀間胡城（現在の那覇市垣花）に住む姑親（マナビダルの父親）の元に行きます。





第二幕（別れ）。
外間之子は、夢で住吉の神が現れて、佐敷按司（後に三山を統一をする尚巴志）と組めば仇を討てるとお告げがあったことを、若按司・ウミナイ・マナビダル・姑親に伝えます。





若按司は仇討ちの決意をしますが、ウミナイは兄の若按司を失うことを心配します。



マナビダルと姑親がウミナイを引き受けて、外間之子と若按司を送り出します。



第三幕（決意）。
外間之子と若按司は、佐敷城へ向かいます。



外間之子と若按司は、佐敷按司にこれまでの事情を伝えます。



佐敷按司は、協力して大里按司を討つことを決意します。



佐敷按司は、大里按司の誕生日の夜に忍び込んで仇討ちする手筈を説明します。



若按司は、長刀の舞を披露します。



外間之子と苗代之比屋の刀の舞。



第四幕（夜廻り）。
大里城の警備役「夜廻り」は、1人で見回りをしています。
大里按司の誕生日なので念入りに見回りますが、夜に1人なので怖がります。



夜廻りは、佐敷から新里にかけて火が動いているのを見つけますが、人なのか？火の玉なのか？分かりませんでした。



第五幕（出陣）。
若按司達は、大里城に向かいます。



若按司達は、大里城の城壁に橋を架けて、場内に忍び込みます。



一方、松明を持った佐敷按司達は、大里城を取り囲みます。



第六幕（仇討ち）。
若按司達は、夜廻りを捕まえて、大里按司と内原之子の居場所を聞き出します。



苗代之比屋は、大里按司へ仇討ちに来たことを伝えます。



大里按司は、家臣の内原之子を差し向けます。
しかし、内原之子は、苗代之比屋に討ち取られます。



逃げる大里按司でしたが、若按司達に討ち取られました。





勝どきをあげる若按司。



組踊の終了後、出演者全員による挨拶。



夜の野外舞台での組踊は、雰囲気が最高でした。
次回（10年後）の上演が楽しみですね。


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