今年も、野生ランの自生地の定期確認に行って来ました。
オキナワチドリは、ここ数年で一番の不作でした…涙
一方、キヌラン、ムカゴソウは、例年並み。
ナンゴクネジバナ、ニラバランは、これからかな。

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

オキナワチドリの学名について:
オキナワチドリは、Hemipilia属のPonerorchis節(Ponerorchis属から節に階級移動しました。)に属し、学名は「Hemipilia lepida」が提唱されています。
今後の研究で、Ponerorchis節が属に昇格するまでは、このブログでは従来通り「Amitostigma lepidum」を使用します。

※2015年に、Y. Tang等は分子系統解析によって、Hemipilia属に、近縁な7属(Amitostigma属など)を組み込みました。
著者らも認めているように、Hemipilia属は多系統なので、7つの節(H. sect. Pinguiculaeなど)と分子系統的な位置の不明な種の記載をしています。
7つの節の導入は、H. sect. Pinguiculaeのような新節(sect. nov.)や、H. sect. Ponerorchisのような階級移動(stat. nov.)など、かなり複雑です。
Amitostigma属は特に分子系統的に多系統で、Hemipilia sensu latoではなく、H. sensu latissimoに含まれるそうです。
sensu latoは広義という意味で、多系統な属や種の記載によく見られますが、最上級のsensu latissimoは初見です。汗
Hemipilia属に強引に入れている感じですね。
今後の研究で、狭義(sensu strict)のHemipilia属(H. sect. Hemipilia)以外は、節から他属に格上げされて整理されていくんでしょうか。

参考文献:
Ying Tang et al., Phylogeny and classification of the East Asian Amitostigma alliance (Orchidaceae:Orchideae) based on six DNA markers. BMC Evol. Biol. (2015) 15:96

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

先週から自宅で実生から育てているオキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)が開花を始めました。
秘密の場所に行ってみると、今年は激減!
いつもは、足の踏み場が無い位の大群落なのに…

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

オキナワチドリ(学名:Amitostigma lepidum)

一方、キヌラン(学名:Zeuxine strateumatica)とムカゴソウ(学名:Herminium lanceum)は、例年より多いくらい。

キヌラン(学名:Zeuxine strateumatica)

ムカゴソウ(学名:Herminium lanceum)

ナンゴクネジバナ(学名:Spiranthes sinensis var. sinensis)は、早咲きがチラホラ。

ナンゴクネジバナ(学名:Spiranthes sinensis var. sinensis)

ニラバランは、まだ花序が出ていませんでした。
オキナワチドリの不作にビックリしましたが、来年は復活して欲しいです。