名護市に滞在して、豊年祭(八月踊り、村遊び)を見学しています。
旧暦8月10~15日前後に、名護市の各地域で同時多発的に八月踊りが行われます。
琉球舞踊や組踊り等に興味のある人は、この時期に名護市に滞在すると毎晩違う地区の村踊りを楽しめます。
名護市川上の「操り獅子」は、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」。
また旧暦8月15日前後になると、名護だけでなく沖縄県内各地で十五夜祭りが開催されますね。

今年の名護市の豊年祭の状況は、以下です。
新暦
8月19日:川上
8月20日:屋部
8月21日:宮里、数久田
8月22日:屋部、宮里、源河
8月23日:屋部、宮里、数久田
8月24日:数久田
8月25日:喜瀬、東江
8月26日:真喜屋
8月27日:東江
8月28日:東江
※毎年日程が微妙に変わるので、各公民館に問い合わせてください。

名護市の「屋部の八月踊り」は、今年が150回目で式典が行われました。
戦時下でも規模を縮小して続けられていて、これまでに完全に中止されたのは昭和20年だけだったそうです。
それだけ、地元の人達に守り続けられていたと思うと、凄い貴重ですね。
屋部の八月踊りでは、旧暦8月8日がスクミ(仕込み)、10日が正日、11日がワカリ(別れ)と呼ばれます。
主要なのは正日で、この日には道ジュネーと御願踊りも行われます。

昨日は旧暦8月10日、正日の「屋部の八月踊り」を見て来ました。
昼から始まって夜11時過ぎまで続くので、内容盛り沢山です。
午後2時半に、屋部公民館前で「屋部の八月踊り壁画リニューアル」の式典が行われました。
午後3時に、道ジュネーが屋部公民館前を出発。
旗頭を先頭に、琉球舞踊や組踊りに参加する人たちが衣装を纏って1時間くらい練り歩きます。
フクギ並木の道も、雰囲気があって良いですね。

道ジュネー@名護市屋部の八月踊り

道ジュネー@名護市屋部の八月踊り

道ジュネー@名護市屋部の八月踊り

道ジュネー@名護市屋部の八月踊り

公民館に戻ると、30分位の休憩の後、「御願踊り」が始まりました。
「御願踊り」では、3演目の琉球舞踊を奉納。
まずは、「長者の大主」。
座開きには、この演目がよく上演されますね。

長者の大主@名護市屋部の八月踊り

続いて、若衆踊りの「コテイ節」。

コテイ節@名護市屋部の八月踊り

「御願踊り」の最後は、「稲摺節」。
この演目は、稲作を行っている沖縄本島の村でよく行われます。
しかし、狂言形式になっているのは、屋部だけのようです。

稲摺節@名護市屋部の八月踊り

1時間の休憩後、午後6時から「屋部の八月踊り」150周年祈念式典が行われました。
そして、目的の琉球舞踊の始まり。
17演目もあったので、最初の「喜栄節」、「万寿主」、「四季口説」、「手間戸」、「浜千鳥」、「上り口説」、「前之浜与那原」は省略。
全て写真を撮っていますが、全部をブログに掲載すると大変なことに…。汗
女踊りの「ハンタマ」。
出羽では、笠を被って杖を持って踊ります。
本踊りでは笠を持って、二人で向かい合って踊ります。

ハンタマ@名護市屋部の八月踊り

ハンタマ@名護市屋部の八月踊り

屋部の「四ツ竹」は、独特です。
女性2人に男性1人で踊るんですが、打ち組みもするので、しっとりとした普通の「四ツ竹」ではなかったです。
恰好良い感じの「四ツ竹」かな?

四ツ竹@名護市屋部の八月踊り

四ツ竹@名護市屋部の八月踊り

続いて、二才踊りの「揚作田」。
作田節を揚げ調子にしたものみたいです。

揚作田@名護市屋部の八月踊り

見た目も鮮やかな「花踊り」。
出羽で花輪、入羽で団扇を持って踊ります。

花踊り@名護市屋部の八月踊り

花踊り@名護市屋部の八月踊り

戦後に導入された「五福之舞(松竹梅)」。
元々は、明治の頃に仲毛芝居の役者・玉城盛重が歌舞伎にならって松竹梅の振付けをしたのが始まり。
その後、甥の玉城盛義が鶴と亀を付けたして現在の形に。
五福之舞は大人気で、梅の役は村一番の美人がなることが多かったみたいです。

五福之舞(松竹梅)@名護市屋部の八月踊り

五福之舞(松竹梅)@名護市屋部の八月踊り

女踊りの「かせかけ」。
糸を紡ぐ綛(かせ)が綺麗ですね。
夫や愛する人の留守を預かる心境を、糸作りの作業を通して表現しています。

かせかけ@名護市屋部の八月踊り

「高平良万歳」の後に、雑踊りの「カナヨー」。
「カナー」は、愛しい人という意味です。

カナヨー@名護市屋部の八月踊り

「下り口説」に続いて、打組踊りの「スンドー(醜童)」。
醜童は何回か見ていますが、ここまでのお面は初めてです。笑
たぶん男性が演じていて、ダイナミックな醜童でした。

スンドー(醜童)@名護市屋部の八月踊り

今回のブログは、かなり写真の数が多くなりました。
しかし、まだ「屋部の8月踊り」は終わらないです。
続きの組踊り「久志の若按司」は、次のブログでご覧ください。
平成27年度 屋部の八月踊り(その2・組踊り)、沖縄本島:南の島旅

名護市屋部の八月踊り その1(道ジュネー・琉球舞踊)の地図
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