今日は、ユッカヌヒー(旧暦5月4日)。
ユッカヌヒーには、爬竜船競漕(大漁と航海安全を祈願する海人(漁師)の行事)が沖縄各地で行われます。
沖縄本島南部周辺だけに限っても、糸満市(糸満・名城)、南城市(奥武島)、八重瀬町(港川)、久米島(真泊・儀間・鳥島)など。
爬竜船競漕は殆んどの場合に「ハーリー」と呼ばれますが、糸満では「ハーレー」です。
糸満の海人が移住して出来た港川でも、「ハーレー」。
また、昔は琉球王国の一部だった奄美(与論島や沖永良部島、徳之島、奄美大島)でも、「舟こぎ」や「くり舟」、「ハーレー」と呼ばれる競漕が行われているそうです。
奄美の一部でも、「ハーレー」と呼ばれているのは面白いですね。

糸満漁港で行われた糸満ハーレーを見て来ました。
糸満ハーレーは、「御願で始まり、御願で終わる」と云われるように、神事性を大事にしています。
まず、糸満漁港の傍にある山巓毛(サンティンモー)で古式の御願を行います。
御願が終わりが、最初に行われる競漕の御願バーレーの開始の合図になっています。
山巓毛の御願を見たかったんですが、そうすると御願バーレーを近くで見られない…
悩んだ末、御願バーレーを見ることにしました。
競漕するのは、西村(現在の西区、上の平)、中村(現在の町端)、新島(現在の新島、新屋敷、新川、前端、南区)。
各チームは、ハチマキとハーレーギン(衣装)の色ですぐに見分けることが出来ます。
西村:紫、中村:ピンク/黄緑、新島:赤。

御願バーリー@糸満ハーレー

御願バーリーなので形式的な競漕と思ったら間違いで、本気の勝負。
御願バーリーの順位で、その後に行われる白銀堂でのお参りの順番が決まります。

御願バーリー@糸満ハーレー

御願バーリーの結果は、1位西村、2位新島、3位中村でした。
この後も、糸満漁港の会場では職域ハーレーがプログラム通りに行われますが、一旦、白銀堂へ移動。
白銀堂では、競漕の結果順に御願バーリーに参加したハーレーシンカ(漕ぎ手)達が集まり、代表者が神人から盃を受けた後、それぞれの村のハーレー歌を奉納します。

白銀堂

ハーレー歌の奉納@白銀堂

西村と新島のハーレー歌奉納の動画も撮影しました。



全てのハーレー歌の奉納が終わると、白銀堂の入口で記念撮影。

糸満ハーレーの集合写真@白銀堂

白銀堂から会場に戻ると、ちょうど青年団ハーレーが始まる所でした。
結果は、西村が1位。
近年は、西村が強いみたいです。

糸満ハーレー

まだまだ、職域ハーレーが続きますが、食事と休憩へ。
アヒル取り競争が始まる午後1時頃に会場に戻って来ました。
内地だと参加自由のイベントに参加する人は少ないですが、糸満の子供達は物怖じしないで漁港に次々と飛び込んで行きます。驚

アヒル取り競争@糸満ハーレー

アヒル取り競争@糸満ハーレー

村船は、郷土芸能の歌や踊りで、場を盛り上げます。

村船@糸満ハーレー

糸満ハーレーの見所の一つ、クンヌカセー(転覆ハーレー)。
競漕の途中でわざと船を転覆させた後、船を1回転させます。
船に溜まった水を掻き出すなど、大変な競漕です。

転覆ハーレー@糸満ハーレー

転覆ハーレー@糸満ハーレー

西村の連覇を阻止した新島が、盛り上がっていました。
中学生ハーレーでも、新島が1位になったので、今年は新島に風が吹いているのかも。

転覆ハーレー@糸満ハーレー

門中ハーレーの後は、最終レースのアガイスーブ(上いバーレー)。
2,185メートルの長丁場です。
連覇を狙う西村と、それを阻止したい新島の闘いに会場は盛り上がりました。

アガイスーブ@糸満ハーレー

アガイスーブ@糸満ハーレー

最後まで僅差だったので、最終的には写真判定。
西村は強かったですね。
残念ながら、新島は2位でした。
レース後、新島のハーレーシンカ達は全力を尽くした為か、かなり疲れていたようでした。

アガイスーブ@糸満ハーレー

今週の日曜日にも、沖縄各地でハーリー大会が行われます。
時間が合えば、見に行きたいですね。

糸満ハーレー 2015の地図
地図をGoogleマップで表示