昨晩は、那覇市の隣にある西原町我謝で「我謝十五夜村あしび」を見てきました。
獅子舞や村踊りなど、内容盛り沢山の十五夜祭りです。
開演は午後5時半だったので、30分前に会場になっている我謝児童公園に到着。
ところが雨が激しく降り出したため、午後6時過ぎまで開演がずれ込みました。
雨のおかげで前の方の席を確保できたので、逆に良かったかもしれないですね。

まずは、「獅子加那志(ししがなし)の御願」。
今から170年余り前、干ばつが続いて疫病が蔓延しました。
そこで、疫病追放や五穀豊穣などの為に、初代獅子加那志が誕生したそうです。
我謝十五夜村あしびは、獅子加那志をウトゥイムチ(接待)するために始まったとも伝えられています。

獅子加那志の御願@我謝十五夜村あしび

次に、舞踏「世界報」。
世界報では、複数の琉舞が組み込まれています。
まず、始まりは、場開きの意味を持つ琉舞「かぎやで風」。

かぎやで風@我謝十五夜村あしび

続いて、「早作田」と「湊くり」。

早作田@我謝十五夜村あしび

湊くり@我謝十五夜村あしび

他にも、「黒島節・そんばれ」、「宮城クワデーサー」、「めでたい節」も上演されました。
下の動画は、宮城クワデーサーの後半部分からめでたい節まで。


世界報が終わると、さらに琉舞「瓦屋」、「黒島口説」、「遊び太鼓」、空手の演舞も行われました。
全て写真を載せると凄い量になるので、遊び太鼓の写真だけ。

琉踊(遊び太鼓)@我謝十五夜村あしび

「我謝十五夜村あしび」の本来の目的である、獅子ケーイ(シーシケーイ)。
我謝の獅子舞には、2つの型、元手(ムトゥディー)と新手(ミーディー)があります。
元手の技「カクジシリ」は、獅子頭を地面につけて前後左右に突き出し、ハブのような動きをします。
沖縄県内には現在も約150ヶ所で獅子舞が受け継がれていますが、「カクジシリ」は非常に珍しいです。

西原町我謝の獅子舞@我謝十五夜村あしび

西原町我謝の獅子舞@我謝十五夜村あしび

西原町我謝の獅子舞@我謝十五夜村あしび


15分間の休憩の後、組踊「久志の若按司」。
「久志の若按司」は、仇討物の一つです。
約1時間半の作品で、我謝の人達だけで全ての役者や土謡を行っているのは凄いことです。

まず、謝名大主が登場。
謝名大主は、天願按司をだまし討ちにした悪い奴です。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

しかし、天願按司の子供の千代松と乙鶴を取り逃がし、その従兄の久志若按司の仕返しを恐れています。
そこで、部下の富盛大主や川崎比屋たちに、千代松と乙鶴の始末を命じます。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

一方、逃亡中の千代松と乙鶴は、疲労困憊。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

とうとう、富盛大主に捕まります。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

場面変わって、久志若按司の登場。
千代松と乙鶴を助けに行きます。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

見事に、千代松と乙鶴の救出成功。
しかし、久志若按司は、命乞いをする富盛大主を逃がしてやります。
その際に、川崎比屋が久志若按司側のスパイであることや、久志城の守りが手薄になっているなどの偽の情報を与えます。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

富盛大主は謝名大主の元に戻ると、川崎比屋が敵のスパイだと報告。
久志若按司の策略に嵌った謝名大主は、川崎比屋を処刑。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

さらに、謝名大主たちは、守りが手薄のはずの久志城に攻め入ります。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

しかし、久志若按司の計略で、久志城は万全の体勢です。
親の仇の謝名大主と戦う千代松。

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

とうとう、謝名大主と富盛大主を捕えて、ハッピーエンド!!

組踊(久志の若按司)@我謝十五夜村あしび

西原町の我謝十五夜村あしびの地図
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